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技法解説

摺漆 拭漆(すりうるし ふきうるし)

木地に生漆を摺り込み、それを拭き取るという作業を
10回程度行う技法。布摺り、摺り上げと似た工程。
木地の木目を活かす方法。

例:行李蓋莨盆

摺り上げ(すりあげ)

品物に和紙を貼って、その上から何度も漆を塗り重ねていく技法。
表面がざらざらした感じになる。

例:摺り上げ大棗 うちわ散らし

布摺り(ぬのずり)

木地に布を貼って、その上から何度も漆を塗り重ねていく技法。
布の肌合いをうまく利用したもの。

青貝 螺鈿(あおがい らでん)

夜光貝 あわび貝 白蝶貝 黒蝶貝を薄い板状に摺りおろし、
文様どおり切り、器物に嵌め込む技法。
刀を使い文様どおり掘り込み、厚貝をうめこむ技法を螺鈿といい、
文様どおり切った薄貝を中塗面に貼り、上塗り後、
研ぎ出して仕上げた技法を青貝と呼ぶ。

研ぎ出し蒔絵(とぎだしまきえ)

塗り面の部分に漆を薄く塗り、金粉、銀粉などをまき、
上塗りをした後、表面を炭で研いでいき粉を平らに研ぎ出す技法。
雲や霞、山水のような空間を表現する時に用いる事が多い。

例:平棗 御簾紅葉蒔絵

高蒔絵(たかまきえ)

漆、炭粉、錆などを使って文様部分を高く上げ、
その上を漆で描き、金粉などをまいて仕上げたもの。

例:楓材 紅葉内波蒔絵

色漆塗(いろうるしぬり)

顔料と漆を混ぜた色漆を使って塗ったもの。
色彩などによってうるみ塗、黄塗、青漆塗、朱塗等がある。

例:八角摺上げ一閑食籠 唐松蒔絵

溜塗(ためぬり)

溜漆という透漆を塗ったもの。
下の色が塗られた漆を通してほんのりと見える。
下塗によって紅溜塗、黄溜塗等がある。

蝋色塗(ろいろぬり)

堅地塗の上に下塗り、中塗り、上塗りをし、
その際上塗りをする時に蝋色漆を用い、
その後炭砥ぎをして表面を鏡の様に仕上げたもの。

例:沈箱

梨地

漆を塗った上に梨地粉を蒔き、
梨地漆で固めた上を平らに研ぎ出す方法。

例:火取香炉

平目

厚みのある金や銀の平目粉を蒔き、
研ぎ出す方法。

例:瓢材香合 夕顔蒔絵




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